【10月6日市場展望】異例の事態！米雇用統計『発表中止』でどう動く？民間データが示す利下げの現実味

2025年10月6日2025年10月7日

2025年10月6日（月）、新たな一週間が始まります。おはようございます、つっちーさんです

週明けの市場は、「米国雇用統計が発表されない」という極めて異例の事態を受けてスタートします。先週末、米国株は上昇しましたが、その背景には単純ではない市場の読みがありました。本日の記事では、この状況を深掘りし、今週の投資のヒントを探ります。

先週金曜日、本来であれば最も注目される9月の米国雇用統計が、米政府機関の一部閉鎖の影響で発表中止となりました。しかし、公式データがない中でNYダウは上昇しました。なぜでしょうか？

その答えは、代わりに注目された複数の民間データにあります。これらのデータが、奇しくも労働市場の同じ方向性を示唆したのです。

投資家が注目したのは、以下のような民間の指標です。

これらの情報を総合すると、現在の米国労働市場は新規採用は鈍化しているが、解雇は急増していない」という状況、まさに「安定しているものの脆弱（ぜいじゃく）」な状態にあると読み取れます。

この「労働市場の減速」という情報は、株式市場にとってはポジティブな材料と受け止められました。なぜなら、景気が過熱していないことを示すデータは、FRB（米連邦準備制度理事会）がインフレを抑えるための追加利上げを見送り、むしろ景気を下支えするための「利下げ」に踏み切る可能性を高めるからです。

先週末の株価上昇は、この「金融緩和期待」が先行したものと分析できます。

本日は大きな指標の発表は少ないですが、欧州の経済状況を確認する上で以下の指標に注目です。

発表時刻 (日本時間)	経済指標	前回	市場予想
18:00	ユーロ圏 8月小売売上高 (前月比)	-0.5%	+0.2%

欧州の個人消費の動向を示す指標です。市場全体への影響は限定的と見られますが、世界経済の動向を把握する上でチェックしておきましょう。

今週は、引き続き不透明な要素に注意が必要です。

米政府機関閉鎖の行方: 閉鎖が長引けば、雇用統計だけでなく、今後発表される他の重要な経済指標にも影響が及ぶ可能性があります。これは市場の不確実性を高める最大のリスク要因です。
FOMC議事要旨の公表: 先月開催された金融政策決定会合の議事録が公開されます。公式データがない中、FRB高官たちの議論の中身から、今後の政策のヒントを探ろうとする動きが強まるでしょう。